海の散骨の帰りには夕方になっていることもあり、
夕陽を見ながらの帰港は、昼間の仕事が終わったなという達成感もあり、
心地よいものがあります。
海の上では遠くに見える陸地以外には特に目立つようなものがありませんので、
海上に浮かぶブイが波にゆらゆらと揺れているのを見ると、
何故かしら心落ち着くものがあります。
海の上ではエンジンを停めると錨でも打たない限り流され続けますので、
ある意味船の上という場所は、水ものと言いますか、とても不安定なものです。
いつまでも流され続けますと、
いつも同じ場所に止まっていることの有難さが良く分かります。
海上のブイは、大きな鎖で海底に繋がれていますので、
波風でユラユラしますが、いつも同じ場所にありますので、
船の航路の大切な標識となっているのです。
海の散骨で世界中を旅してみたいと思っていた故人様も、
たまにはこういう安定したブイで休んでいるのかもしれません。