喉仏とは一般的には喉の中ほどにある突起のことを言い、
唾を呑み込んだ時などに「ごっくん」と一緒に動きますが、
この場合には、実は喉頭隆起という軟骨がそこにあり、動いているのです。
軟骨ですから、火葬場で火葬されたりすると、灰になってしまい、残りません。
それでは、火葬場での骨拾いの時に喉仏として拾うのは何かと言いますと、
首の骨(頸椎)の上から2番目の骨のことなんです。
一番上の第1頸椎でも良さそうな気がするのですが、何で2番目なのかというと、
それはお釈迦様が座禅を組んで座っている姿に似ているからなのです。
顔を描いてみたら、仏様に見えるでしょうか、
そう言われれば、そのような気がしませんか。
喉仏はとても珍重される
お遺骨の中で形のあるものをただ一つ残すとしたら、それは喉仏でしょう。
背骨の延長線上で喉にある骨で、
お釈迦様が座禅を組んで合掌している姿に似ていることから喉仏と言われます。
人が亡くなって仏になることを思えば、人の体内に仏の姿があることは、
とても神々しいことで、人の体の中から仏様が出てくるということは、
あの世の世界で救われた証であるかのようにも思えるものです。
喉仏は分骨して納骨したり、身近な場所にお祀りするために残したりもします。
骨壺の中で喉仏のある場所
喉仏は骨壷の蓋を開けて上部の中央にあります。
すぐに見えることもありますが、ほとんどの場合、
頭蓋骨を覆い被せてありますので、頭蓋骨を取り除けば出てきます。
火葬場で喉仏の説明があったならば、必ずこの位置にありますが、
骨粗しょう症の方や入院生活が長かった方の場合などは
骨がボロボロになって喉仏が無いようなこともあり、
無いということを敢えて強調して言いますと、縁起が悪いとも思われますので、
このような時には職員の方は敢えて喉仏の説明はしないようです。
喉仏の特徴
喉仏には共通して典型的な特徴があります。それは
- 丸い形で中が空洞になっていること
- 丸い突起があること
- 平らな突起があること
の3点です。喉仏は体を支える背骨の一番上の所にあり、
基本的に背骨は皆、空洞がある形をしていますが、
喉仏との違いは突起のあるか無しかで分かります。
喉仏だけは明らかに他の骨とは違う形をしています。
ペットの喉仏
ペットにもちゃんと喉仏があります。
人の喉仏と特徴は同じで中に空洞があり、全体的に細長く、平らな突起がよく目立ちます。
大型犬はもちろんのこと、フェレットぐらいの大きさまでなら
喉仏をはっきりと見つけることができます。
癌などの病気で骨がもろくなっている場合には、喉仏が残らないことがあります。
そしてペットの場合には、火葬の技術や火葬炉が良くないと、
バラバラになってしまいます。
人の場合と違って火葬の担当者が喉仏を知らないこともあります。
犬やネコの喉仏
ペットの喉仏として、典型的な特徴を備えています。
ウサギの喉仏
このウサギさんは平らな突起が欠けてしまっています
喉仏が無かったら
喉仏を探す時には、骨壷の上の方を丁寧に探してください。
それでも見つからなかったら、なるべく大きなトレーのようなものに
骨壷から全ての遺骨を取り出して、満遍なく広げ、遺骨が重ならないようにして
1つ1つ探してみてください。
どうしても見つからなかったら、喉仏に代わる骨として、喉仏に近い背骨か、
頭蓋骨の一部や歯が良いと思います。
頭蓋骨は卵の殻のような形です。歯は口を開けた時に見えていた歯が、
顎の骨に付いていますので、外しても良いでしょうし、
外さなくても、外れたものが大抵は見つかるものです。
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