散骨禁止

2004年に札幌のNPO法人22世紀北輝行研究会が

長沼町幌内に所有する山林約2万3,000平方メートルに公園を造り、

4平方メートルの区画を散骨用に分譲する

「ホロナイ樹木葬森林公園」を開設しました。

52万5,000円の永代使用料と1年で1万2,600円の管理費を設定し、

スタートさせたのですが、

事業を開始する時に周辺住民に何の説明もなかったため、

周辺住民が「地下水の飲用ができない、農産物への風評被害も心配」

と反対運動が起こりました。

この団体の「運営概要」によれば、「遺骨は焼骨されたものとし、

樹木の根元約50センチ程度に焼骨をそのまま散骨」とあり、

焼骨をそのまま撒くということ自体問題なのですが、

たとえ粉骨したとしても、樹木葬という流行という流行を利用した

無届の霊園という基本的な方針が見えてきます。

永代使用料として52万5,000円で分譲し、

1万2,600円の管理費を徴収する仕組みは霊園そのものです。

その後7000人の署名を集めた住民が町議会に働きかけ、

平成17年5月1日、「長沼町さわやか環境作り条例」が発足されました。

この中で、第8条の「何人も、墓地以外の場所で焼骨を散布してはならない」

は明らかに個人の葬送の自由にまで踏み込んだ条例ですが、

心無い業者がお金儲けのためにしたことの後始末としての

代償は、後世にまで残り続けてしまいます。

長沼町さわやか環境作り条例

(目的)
第1条  この条例は、町の環境美化を推進するために、
町、町民等、事業者及び土地占有者等の責務その他必要な事項を定め、
良好でさわやかな環境を確保し、清潔で美しいまちづくりを進めることを目的とする。
(定義)
第2条  この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、
当該各号に定めるところによる。
(1) 町民等 町の区域に居住する者及び滞在者
(旅行等により町を通過する者を含む。)をいう。
(2) 事業者 事業活動を営む者をいう。
(3) 土地占有者等 土地又は建物を占有し、又は管理する者をいう。
(4) ごみ 空き缶、空きびん、食品容器その他の容器、紙くず、
たばこの吸い殻、チューインガムのかみかす、粗大ごみその他の廃棄物全般をいう。
(5) 焼骨 人の遺体を火葬した遺骨(その形状が顆粒状のものを含む。)をいう。
(6) 散布 物を一定の場所にまくことをいう。
(7) 墓地 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)
第2条第5項に規定するものをいう。
(町の責務)
第3条  町は、第1条の目的を達成するため、町民等、
事業者及び土地占有者等に対して環境美化意識に関する啓発を行うとともに、
自主的な環境美化活動を促進させるなど、必要な施策を講じなければならない。
(町民等の責務)
第4条  町民等は、自主的に清掃活動を行うなど、
地域の環境美化に努め、町が実施する施策に協力しなければならない。
2 町民等は、家庭の外で自ら生じさせたごみを持ち帰り、
又は適正に処理するよう努めなければならない。
3 町民等は、飼育し、又は管理する犬又は猫が家庭の外でふんをしたときは、
そのふんを持ち帰り、処理しなければならない。
(事業者の責務)
第5条  事業者は、町が実施する
環境美化の促進に関する施策に協力しなければならない。
2 事業者は、当該事業活動によって生じるごみの散乱の防止及び
消費者に対する環境美化意識の啓発に努めなければならない。
3 事業者は、ごみの散乱を防止するため、自らの事業活動により生じるごみの回収、
処分及び再資源化に必要な措置を講じなければならない。
4 事業者は、事業所及びその周辺その他事業活動を行う地域において、
清掃活動の充実に努めなければならない。
(土地占有者等の責務)
第6条  土地占有者等は、町が実施する環境美化の促進に関する施策に
協力しなければならない。
2 土地占有者等は、その占有し、又は管理する土地及び建物を常に清潔に保ち、
ごみを不法に投棄されないよう環境美化に努めなければならない。
(投棄の禁止)
第7条  何人も、みだりにごみを捨ててはならない。
(散布の禁止)
第8条  何人も、墓地以外の場所で焼骨を散布してはならない。
(勧告)
第9条  町長は、第4条第3項、第7条又は第8条の規定に違反していると認めたときは、
その違反者に対し、必要な措置を講じるよう勧告することができる。
(命令)
第10条  町長は、前条の規定による勧告を受けた者が、
正当な理由がなくその勧告に従わないときは、期限を定めて勧告に従うことを命じることができる。
(立入調査)
第11条  町長は、第4条第3項、第7条又は第8条の規定の施行に必要な限度において、
町長が指定する職員に、次の各号に掲げる場所に立ち入り、帳簿、
書類その他の必要な物件を調査させることができる。
(1) 犬又は猫のふんが放置されている場所
(2) ごみが散乱している場所
(3) 焼骨が散布されている場所又は散布されている疑いのある場所
2 前項の規定による立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、
関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、
犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(公表)
第12条  町長は、第9条の規定による勧告若しくは第10条の規定による命令に
従わなかった者又は第11条の規定による立入調査を拒み、
若しくは妨げた者があるときは、その旨を公表することができる。
2 町長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ、
公表されるべき者に弁明の機会を与えなければならない。
(罰則)
第13条  焼骨を散布する場所を提供することを業とした者は、
6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
2 第4条第3項又は第7条の規定に違反し、
第10条の規定による命令に従わなかった者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。
3 第8条の規定に違反し、第10条の規定による命令に従わなかった者は、
2万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
4 第11条第1項の規定による調査を拒み、又は妨げた者は、2万円以下の罰金に処する。
(両罰規定)
第14条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が
、その法人又は人の業務に関し、前条第1項又は第4項の違反行為をしたときは、
行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、それぞれ同項の罰金刑を科する。
(委任)
第15条  この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則  この条例は、平成17年5月1日から施行する。