遺骨は高温で無くなるという俗説
斎場の火葬炉の火葬の温度を高くすれば、遺骨は無くなってしまうが、わざと温度を下げて火葬して遺骨を残している-とは、昔からよく言われていることで、何処に行っても良く聞く話ですが本当でしょうか。
これが本当なら、火葬のオプションで温度上昇サービスをすれば、少々料金が高くても利用する人はたくさんいると思います。そして散骨をする必要もなくなるという画期的な方法なのです。
このような画期的な方法が実現すれば、葬送のあり方も変わるはずです。
超高温なら本当に無くなる
たとえば太陽の中心部の温度は1500万度で、日食の時に見ることが出来るコロナの温度は100万度程度ですから、これ位の温度なら瞬間的に完全消滅が可能ですが、それ程の高温が普通に出せるような設備はありませんので、あまり現実的ではありません。
3000度の高温で試す
斎場の火葬炉の温度は最高でも1300度が限界ですので、同じくらいの温度で試してみるよりは、思い切って現在得られるだけの最高温度で試してみた方が、結論がはっきりします。
そこで早速実証してみることにします。
用意するもの
1000度と2000度と3000度のバーナーを持っていますが今回は右のO2トーチ3000度のみを使用することにします
まずは缶の実験、ハサミで切るようにサクサクと切れます
屋外でやっているので、3000度になっているかどうかは分かりませんが
最高温度部分はすごい威力です。
我が家で飼っていたウサギさんの骨壷の中から、足の骨にご協力頂きました。
高野山真言宗やすらか庵の僧侶ですから、礼拝供養の上でスタートです。
ステンレスのトレーに安置して頂きます。
ステンレスのトレーがパンチングになっているのは、特に意味無しです。何かを作ろうと試作した新品のトレーです。
成仏してください、と願いつつあぶり続けます。この火は直接目で見れないぐらいまぶしく、私は溶接用の遮光レンズで見ています
3分ほどあぶると、火を当てた所がガラスのようになって分離しました。分厚いステンレスのトレーは、穴が開く寸前です、このあとは、いくらあぶっても変化無しです
右が火で直接にあぶって最高温度になった部分、若干青みがかって、ガラスのようになりました。
左は火は当たっているのですが、高温部分から外れているので変化無しです
結論
骨は3000度の温度ぐらいではガラス状になるが、無くなることはない。
韓国では高温高圧の釜に遺骨を入れて出来上がった碁石状のものを親族に配るということを聞いたことがありますが、遺骨は高温で石になるというのが本当だと思います
*我が家のウサギさんの骨の実験協力後には骨壷に戻して供養しています
*このガラスが宝石のようになれば、素敵なペンダントになりそうです。
火葬場の炉の温度は何度まで上がるのか
皆さんが一様に言っていることは、火葬場の炉の温度が生ぬるいからもっと温度を上げたら良いというものですが、果たして炉の温度は何度まで上がるのでしょうか。
炉の中の温度はバーナーと炉の性能にもよりますが、現在火葬場で使われているバーナーが燃料を灯油や重油であることを考えますと、1300度が限度です。
1300度という温度は陶芸の世界では備前焼のような焼き締めの作品を作る時の最高温度であり、火が白っぽくてまぶしく見えるのですが、これ位温度を上げても遺骨は全く変化がありません。
実験用の超高温炉でも3000度が限度ですので、温度を上げて遺骨を消滅ということは無理だと思います。また、温度を上げれば灰になるということに関しては数万度という温度が実現すれば可能かもしれませんが、現状の設備では無理ということでございます。
火葬場の温度を上げても遺骨は残る
火葬炉の温度を上げても遺骨が無くなることがないのから、遺骨は要りませんという方法があるのではないかと考えてしまうものです。それは果たして可能なことなのでしょうか。それでもやはり散骨と言うものは必要なのでしょうか。
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