散骨のマナー

散骨については国が定めた法律や規則はありませんし、

現在の所、役所などに対する届け出も不要です。

しかし、規則が無いからと言って人に迷惑をかけたりするようなことをすれば、

葬送の自由としての散骨が出来なくなってしまうかもしれません。

散骨しなくても良い方法も考えておかねばなりません。

欧米には散骨に関する規則が決まっている国もありますので、

散骨業者は欧米のルールを参考にしてそれぞれの指標としています。

ここでは個人で行う場合のルールを提案いたしますので、

ご参考になれば幸いでございます。

文責:NPO法人やすらか庵理事長清野 徹昭

個人での散骨に関する留意事項

散骨の定義:

・散骨とは、葬送の目的を持って、粉状にした故人の遺骨

自然の中に散布することである。

(葬送とは亡き人を送る、別れの儀式である)

(遺骨とは斎場で荼毘に付した焼骨である)

(粉状にした遺骨は以後、遺灰と言う)

(散布とは、遺灰を撒くことであり、土の中に埋葬することではない)

散骨する遺骨の形状について:

・遺骨を散骨するには、直径2ミリ以下の粉末にすること。

・遺骨以外の棺桶の釘、ホッチキスの針や眼鏡、

入れ歯などの不純物は取り除くこと。

散骨する場所について-海:

・独自に散骨に関する条例を定めた自治体にはその内容に従うこと。

・岸から2km以上離れた海上で行うこと。

・航路、漁場、海水浴場を避けること。

・他の船舶の進路を妨げてはいけない。

・遺灰と共に散布する物は、花などの海中で分解し易いものを適量とし、

ビニール、アルミホイル、プラスチックなどは避けること。

散骨する場所について-陸上:

・独自に散骨に関する条例を定めた自治体にはその内容に従うこと。

・他人の土地では所有者の許可を得なければならない。

・国有林に関しては林野庁の許可を得なければならない。

・自らの所有地に散骨する場合には、近隣に遺灰が風で飛ばないよう注意すること。

・自らの土地であっても、近隣の土地と隣接するような場所では行わないこと。

・自らの土地であっても、近隣の散骨に対する感情に配慮すること。

・穴を掘って埋めることは埋葬行為になるので、

埋葬が許可された場所のみ可能であり、散骨の場合には遺灰を散布すること。

近隣に対する配慮:

・散骨を感情的に快く思わない人に対しての配慮をすること。

環境に対する配慮:

・自然に還るものだけを散布すること

・少なからず自然に負荷をかけるので、

負荷をかけた以上の自然保護を心掛けること。