遺骨を持って飛行機に搭乗する場合、
遺骨は手荷物で大丈夫だろうか?と気になるものです。
大切な故人の場合は特に、荷物として預けるには不安があり、
出来れば大切に持っていたいと思うのではないでしょうか。
実際に機内に持ち込まれた方の感動秘話がありますので、
ご紹介させて頂きます。
=西日本新聞朝刊=7月13日付 よりそのまま掲載させて頂きました。
半世紀以上も連れ添った妻に先立たれた、横浜市の知人男性からこんな話を聞いた。
男性は葬儀を終えた後、故郷である佐賀県唐津市の寺に納骨するため、
羽田空港から空路、九州へと向かった。
遺骨を機内に持ち込めることは知っていた。でも入れたバッグがかなり大きく、
念のため搭乗手続きの際に中身を伝えた。
機内に乗り込み、上の棚にバッグを入れて席に着くと、
客室乗務員がやって来てこう言った。
「隣の席を空けております。お連れ様はどちらですか？」
搭乗手続きで言ったことが機内に伝わっていたのだ。
男性が「ああ、上の棚です」と説明すると、
乗務員はバッグごと下ろしてシートベルトを締めてくれた。
飛行中には「お連れ様の分です」と飲み物も出してくれたという。
「最後に２人でいい“旅行”ができた」と男性。その表情を見ていたら、
こちらも温かい気持ちになった。 （鎌田浩二）
何と心温まる話でしょう!!!
手荷物である遺骨を物としてではなく、「お連れ様」として
待遇してくれたのですから、とても温かい気配りです。
これは客室乗務員が単に個人的にしたことではなくて、
当時のスタッフの判断だと思いますが、
航空会社の基本姿勢が無いと出来ないことでしょう。
隣の席がたまたま空いていたかもしれませんが、
ひょっとしたら、わざわざ空けてくれたのかもしれないと思うと、
こんなことをさり気なくやって下さるなんて、
これぞまさに「日本のおもてなし」の気配りですね。
このページののイラストは私がその時の状況を思い、描かせて頂きました。
