自宅や別荘での散骨

自宅や別荘、山林などを所有している場合には自分の所有している土地であれば散骨することは全く問題ありません。但し周りの方の感情などに充分に配慮する必要はあります。

散骨する場所は隣地との境界線付近は避けて完全に自分の土地で行い、散骨する時には風に飛ばされないようにします。

穴を掘って埋めることは埋葬行為になりますので出来ませんし、お墓を作ることも出来ません。

散骨とはお遺骨を粉状にして散布することです。自宅や別荘で散骨する際には、周囲の方に言いふらさないことが賢明です。たとえ自分の土地であっても散骨したという行為に好感を持たない人が必ずいるものです。

散骨は身内の者だけが知っていれば良いのです、感情的な問題でトラブルになることは避けましょう。

自宅で散骨

自宅で散骨

自宅で散骨する場合には、広い庭があれば理想的です。

ある方のお庭では、亡くなられたご主人を身近に感じていたいと、サッシのカーテンを開けたら見える所に花壇のような囲いを作り、お花を植えて、その中にご主人の遺骨を散骨されました。

もちろん墓石などは置きませんが、その方にとってはご主人がいつも傍にいてくれるような気持ちになれるという安心感に包まれるそうです。

遠くて高いお墓を買って、お墓参りに苦労することを思えば、とても素晴らしい供養の仕方だと思います。

別荘で散骨

別荘での散骨

日常の生活空間から離れて自然の中でくつろげる別荘は、散骨するには最適な場所だと思います。特に故人様がお気に入りの場所だったとしたら、おそらく生前中に別荘での散骨を希望されるでしょう。

森があれば森の中に、広いお庭があれば綺麗な花が咲く樹の下に、故人様が好きだった場所や樹の下に散骨してさしあげましょう。

山林で散骨

山林で散骨

ご自分の山林や持ち山があれば、そこにある樹を利用して樹木葬が出来ます。広場みたいな場所があれば、散骨した後に記念の樹を植えることも出来ます。

広大な山林の場合には、どこに散骨したか分からなくなってしまいますので、目印になる樹が必要です。

自宅や別荘での散骨に必要なもの

自宅や別荘の散骨で絶対に必要なものはありませんが、故人様をお送りする儀式ですから、出来る限りの準備をいたします

水溶性袋

水溶性袋に入れたお遺骨

水溶性袋は海の散骨だけでなく、意外と使えますのでおすすめいたします。

粉骨したお遺骨はビンなどに入れると、散骨の時に参加者に平等に回らないことや、ビンの中に付着したお遺骨を洗い流す必要があります。

最初に散骨した人がビンの中のお遺骨を全部散骨してしまったりすると、都合の悪いことになってしまいます。

水溶性袋は参加する人数分準備しておけば、一人一人が参加して平等に散骨出来ますし、袋にお遺骨が付着したままで構いませんので、出来たら細かく破いて一箇所に置いておけば、雨が降った時に溶けてくれます。その場でペットボトルの水をかけても構いません。

海の散骨時の花

花は自然に還るものですから全く問題ありませんが、花束を置いたりすると、知らない人が見たりすると事故の現場かと思われてしまいますので、使うのであれば、花びらの所だけを少量準備します。

テーブル

散骨に必要なテーブル

折りたたみ式の簡易テーブルで構いませんので、準備してください。テーブルが無いと、お遺骨は地面に直接置くことになってしまいます。

白い布をかければちゃんとした儀式用のテーブルになります。お年寄りの方が参加される場合には、椅子もあった方がよいと思います。

故人様に手向ける言葉

故人様に手向ける言葉

お手紙か故人様に述べる言葉を読み上げますと、より儀式として有難い雰囲気になります。散骨が葬送の儀である以上、このような部分がどうしても必要なのです。ある意味、亡き人にとっては自分が何をされているのかが分からないもので、声に出して説明することで理解してもらうことが出来るのです。自分の土地ですることですから、あまり形式的なことは似合わないと思う方は準備する必要はありませんが、故人様をお送りする葬送の儀式ですから、語りかけるような楽な表現で良いと思います。

音楽

散骨時の音楽

どうしても必要なものではありませんが、BGM程度に故人様が好きだった曲をかけるのもよいと思います。

大音量でご近所に迷惑をかけるようなことはやめましょう。外に持っていくものは電池式が便利です。

虫除け

散骨時の虫除け

これもどうしても必要なものではありませんが、夏の蚊を叩きながらの散骨は落ち着かないものです。

蚊取り線香や虫除けスプレーは屋外での必需品かもしれません。

記念植樹

散骨の記念植樹

散骨した場所の目印として、記念植樹をするのなら、長寿で枯れにくく、花が咲いて大きくならない樹が理想的です。桜は古くから人気の樹です。

樹ほど大きくならなくても、毎年花を咲かせる多年草や球根などでもよいと思います。

散骨当日には鍬やスコップ、バケツなども必要です。

自宅や別荘での散骨の式次第

自分の土地で散骨する場合には形式的なことはしない傾向にありますが、何も考えないですると、大切なことを忘れたりして後で後悔するかもしれません。

事前に考えておくことは大切なことだと思います。

庭に散骨して、記念植樹するのなら、事前に樹の手配をしておく必要があります。

自宅での散骨

  1. 合掌または一礼
  2. 開式の言葉
  3. 故人様に贈る言葉
  4. お遺骨の手渡し
  5. 散骨
  6.  (植樹)
  7. 献花
  8. 合掌または一礼
  9.  (お食事会)

自宅や別荘での散骨の仕方

自宅や別荘で散骨する場合でも、お遺骨を粉骨する必要があります。粉骨については特に大地に散布するのであれば不純物を取り除いた遺骨(遺灰)であることが環境上好ましいです。NPO法人やすらか庵の粉骨は手作業で行い、目視で徹底的に不純物を取り除きますので、安心して散骨することが出来ます。

手作業で安心のこだわり粉骨…NPO法人やすらか庵の粉骨エンター

粉骨しても土の中に埋めることは埋葬行為となりますので、必ず土の上に散布します。

近所の方のお気持ちを考えて、散骨は身内の者だけで行い、よほどの広大な土地でない限り、大勢の人を呼んで盛大にすることは避けた方が良いと思います。

自宅や別荘での散骨の仕方

海では散骨した瞬間からお遺骨がどんどん拡がっていって分からなくなりますが、自宅や別荘での散骨では長い間そのままそこに残り続けることになります。

雨が降ったり風が吹いたり、微生物に分解されたりして自然に還っていきますが、大切なことは、1箇所に大量に撒くのではなく、少しずつ広い範囲に撒いた方が環境への負担が少ないということです。

今ある樹の周りに撒くのであれば、樹の根から少し離れた所の周囲に満遍なく撒いてください。

散骨したことによって樹が枯れるようなことはありませんのでご安心ください。

これは牛の骨の話ですが、骨粉は園芸用の肥料で、バラの色を鮮やかにしたり、トマトの実付きを良くする効果がありますので、人の骨であっても効果は同じだと考えられます。不純物を取り除いたお遺骨は、決して有害な物質ではありません。

散骨した後には土をかけてもいけませんし、厳密には葉っぱをかけてもいけません、埋葬行為になってしまいます。

すでにある樹の周りに散骨するのであれば、桜などの花が咲く落葉樹を選んで、時期的には秋の落葉する時期に散骨すれば、上から葉っぱが落ちてきて覆い被さって、分解が早まりますので、1ヶ月もすれば散骨した形跡が分からなくなります。

また、近くに落葉樹の大木がある樹を選ぶのもよいかもしれません。葉っぱが勝手に落ちてきてくれます。いつまでも白い粉が残っていると、案外気になりますから、今ある自然を利用して早めに自然に還って頂きましょう。

東京都の見解

東京都福祉保健局の「散骨に関する留意事項」では散骨を禁止していませんが、注意するべきことは参考になりますので、ご覧になってみてください。