海で散骨

私は14年間散骨の仕事に携わっていますが、

散骨する場所として海と山を比べた時に、海が最も多いと思います。

私達の生命の祖先は海から産まれたと言われており、

広大な海にやすらぎや癒しを感じる方はとても多いのです。

世界中に繋がっていて、どこにでも行けるような気がする、

自由で束縛されないことを好む方が最後に還る場所としてあこがれるのです。

海での散骨について

散骨する場所として最も問題の無いのが海での散骨です。

公海上は誰の所有でもないからです。海上保安庁や法務省、

運輸省などに問い合わせしても散骨は禁止している省庁はありません。

大海原への旅立ちという意味ではなるべく沖に出ることが好ましく、

自分で船を所有していればいつでも散骨に出かけられます。

親しい人が船を所有していれば頼んでみるという手もあります。

特に故人様と親しい人であれば、案外気軽に受けてくれるものです。

身内の方に船の免許を持っている人がいれば、レンタルボートの使用も可能です。

船長付きの船のチャーターはレジャーには対応しますが、

散骨の旨を伝えると断られることがあります。

フェリーに乗って散骨するという方法もありますが、

不特定多数の人が乗船していますので、

誰かに見られたり注意されたりする可能性があり、堂々とは出来ません。

夏場に営業している時間貸しの手漕ぎボートを利用するということも可能でしょうし、

手漕ぎのゴムボートやカヌー、

2馬力の船外機が付いたゴムボートは免許が不要ですので、

レジャー目的で購入して散骨にも使うという手もあります。

釣りなどのレジャーに使えば海をより一層身近に感じることが出来ます。

但し自然の海に出るという以上は海上のルールとマナーは守り、

自己責任にて行ってください。

他には岸壁や堤防、橋の上、海岸などで散骨される方がおられますが、

法律違反ではありませんが岸に近すぎるという点で厳密にはマナー違反です。

但し岸からの距離については日本ではどれだけの距離で行ってください

という決まりは現在ありません。

2010年8月に肺がんで亡くなった芸能リポーターの梨本勝さんの

遺骨の一部をお台場付近の海上で散骨する写真がニュースで公開されましたが、

よく見てみると、船には乗っているものの、すぐ後ろに岸が写っていますので、

岸に限りなく近い場所であることが分かります。

一部を散骨したことと、

皆に慕われて有名な梨本さん故にクレームが無かったと思いますが、

散骨を身近なものにしてくれた功績はとても大きいと思います。

散骨事情というものはどんどん変わっていきます。

今は様子見の時期なのかもしれません。

芸能リポーター梨本 勝さんの散骨の様子は

梨本 勝さんの散骨

ソース:ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)

梨元さん散骨「大好きな海に喜んでいる」エンターエンター

海での散骨での注意点として

  1. 岸から充分に離れていること
  2. 航路、漁場、海水浴場を避けること
  3. 遺骨は必ず2ミリ以下の粉末にすること
  4. 遺骨と共に手向けるものはなるへく少なく、自然に還るものであること
  5. 花は花束ではなく、茎などを取り除いた花びらの部分であること

法的な決まりは一切ありませんが、地球環境の保全という観点でマナーを守りましょう

散骨のマナーについては、当サイトで提案していますので、参考にしてください

散骨のマナーについてエンター

海の散骨に必要なもの

水溶性袋

水溶性袋

海の散骨に必要なものとして、水溶性袋は必需品です。

水溶性袋とは、粉状にしたお遺骨を入れて、散骨時には水に溶ける袋のことです。

普通の紙で出来た袋だと、水に浸けるといつまでも浮かんだままで漂いますので、

まるでゴミの不法投棄のようですが、水溶性袋は水に浸けるとすぐに分解していくので、

環境に優しい素材だと言えます。

地球環境に優しい散骨は、これからの時代、とても大切なことです。

水溶性袋はここで購入できます 水溶性袋購入エンター

水溶性紙を水に浸ける実験

水溶性袋-水に溶ける前

紐に吊るした水溶性紙

水溶性袋-水に浸ける

水に浸けるとすぐに紐から外れます

水溶性袋-水に溶ける

2、3分で完全に水に溶けてしまいました

水溶性袋-水に溶けた様子

上から見ると水に溶けて完全にほぐれています

水溶性袋のメリット

水溶性袋を使うメリットは、

粉状の遺骨を袋に入れたままで自宅にお祀り出来ることです。

バスケットや箱に入れてお祀りすれば、とても見栄えがよく、

散骨する時にはそのまま持って行けるので、いつでも散骨が可能な状態になります。

但し水溶性袋はとても湿気を帯びやすいので、

水溶性袋の上にビニル袋をかけておけば、

長期間の保管でも湿気てしまうことはありません。

お遺骨を水溶性袋に入れる時には、散骨に参加する人数分に分けておき、

実際の散骨の時には袋を一人一人に手渡しすれば、皆が平等に参加することが出来ます。

水溶性袋に入れたお遺骨

水溶性袋に入れておけばそのまま家でお祀り出来ます

海で散骨する時の水溶性袋

海で散骨する時にはお花で盛り付けします

水溶性袋の使い方はYou Tubeにアップしています

水溶性袋の使い方

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海での散骨は、散骨した瞬間から遺骨の粉がどんどん拡散していくので、

すぐに見えなくなってしまいます。

お遺骨は粉末にしても水より重いので、沈みがちに拡散していきます。

浮いたままで拡散することはありません。

海の散骨の場合、お花は故人様に手向けるという目的の他に、

海に浮かびますので、散骨した場所の目印になるという役割を果たしてくれます。

お花は海流に乗って拡散していきますので、お遺骨の流れていく方向を示しています。

海の上に浮かんだお花はとても綺麗です、

散骨した後にお花をお見送りすれば、感激がこみ上げてきます。

海の散骨

海に散骨した時のお花

花の事前準備

散骨に使う花は家で準備して持って行けば、

散骨する時に慌てることはありません。

海の上で色が良く映える色は白、黄色、ピンクなどの明るい系統の色です。

青や紫の花は海の色に同化してあまり目立ちません。

菊やカーネーション、バラは年間を通して値段が安く手に入る花です。

一般的にバラなどの棘のある花は葬儀には使いませんが、

花びらだけの使用なので、気にする必要は無いと思います。

大人数の散骨では菊やカーネーションなどの花がたくさん取れるものをベースにして、

カサブランカなどの大柄の花をアクセントに使います。

カスミソウやスターチスも結構使えます。

故人様が好きだった花があれば、その花だけで充分でしょうし、

自宅の庭にある花を使えばそれが一番いいかもしれません。

散骨に参加される方が花束を持ってくることがありますので、

ハサミを準備していれば万全です。

散骨する時には花びらだけを切り取って手向けてください。

セロファンや紙、銀紙や輪ゴムが付いたままの花束を海に手向けることは

ルール違反です。お花を手向けるタイミングは散骨の後です。

散骨の花の準備

事前に花びらだけを切り取って

散骨の花の準備

このように準備しておきます

ビールやお酒、コーヒーなど

海に手向ける飲み物

ビールやお酒、コーヒーなどの飲み物は、どうしても必要なものではありませんが、

生前中に故人様が好きだったり、

闘病生活が長くてお酒を飲むことが出来なかったなどの場合に手向けられることが多く、

少量であって中身だけの投入であれば環境への負担は少ないので、問題ありません。

ビンや缶は必ず持ち帰ってください。

故人様が大好きだったコーヒーを家で作り、ポットに入れて持ってくる方もおられました。

とても温かい心遣いだと思います。

お清めということで散骨の前にお酒を撒く人もおられますが、

飲み物を手向けるタイミングは基本的に散骨の後です。故人様のために手向けるものだからです。

お手紙

故人様に手向ける言葉

散骨の時に故人様との思い出や感謝の言葉を手紙にしたものを読めば、

故人様への思いを共有出来、参加されている皆の気持ちが一つになることで、

思い出深い散骨になります。

この時読んだお手紙は、家に持ち帰ることになりますが、

水溶性の紙に書いておけば、散骨の時に海に手向けることが出来ます。

音楽

散骨時の音楽

故人様が好きだった曲や思い出の曲を散骨の時に流せば、

感動のあまり、涙が止まらないことがあります。

音楽の力は不思議なもので人の気持ちと周りの情景を優しく包み込んでくれて、

故人様のお見送りを神聖なものにしてくれます。

現地で準備出来ない時には、小さな電池式のラジカセを持っていきます、

中にCDやテープを入れておくのを忘れないでください。

大人数の時には、外部マイクの付いた大き目のラジカセがあれば、皆によく声が届きます。

海の散骨の式次第

海での散骨は、散骨した瞬間から遺骨の粉がどんどん拡散していくので、

すぐに見えなくなってしまいます。

散骨した後は、見えなくなるまでゆっくりとお見送りいたしましょう。

散骨した後になって故人様へ手向けるものを忘れて急いで探したりすることのないように、

散骨の段取りは決めておきたいものです。

海での散骨式

  1. 散骨地点到着
  2. エンジン停止
  3. 開式の鐘
  4. 合掌または一礼
  5. ご挨拶
  6. 故人様への言葉
  7. 音楽
  8. 参加者にお遺骨の手渡し
  9. 散骨
  10. 献花
  11. お酒を手向ける
  12. エンジン始動
  13. 散骨地点を3周
  14. 汽笛長音3回
  15. ゆっくり発進
  16. お見送り
  17. 花が見えなくなったら船内に移動
  18. 巡航速度
  19. 帰港

海での散骨の仕方

実際の散骨では誰かが「こういう風にしてください」という指示がないと、

誰も始めることはありません。

散骨なんて、ほとんどの人が始めてですから、

テレビでぐらいしか見たこともありませんし、遺骨がとても大切なものであるから故、

「へまをやらかしては失礼な上に、恥をかく」という気持ちが働くのです。

順番としては、血縁関係の深い順からしていくか、皆で一斉にするかです。

散骨を仕切る人は皆さんに「こういう風にしてください」

という具体的な指示をすることが大切です。

遺骨を袋から出しながら散骨

袋から出しながら散骨

最も多いやり方がこれです、

まずは水溶性の袋の口を開けてからなるべく低い位置にもって行き、

少しずつ海にこぼしていく方法です。

ポイントはなるべく低い位置であることと、風上から行うことです。

自分の立ち位置が風上で、風下に海となるように場所を選びます。

それでも海の上では風の向きがよく変わりますし、

風が船に当たって舞うこともあるため、

船縁(ふなべり)よりも低い位置で散骨すれば風で戻ってくることはありません。

最初に少し撒いてみれば、どちらに飛んでいくかが分かりますので、

自分の方に戻ってくるようでしたら止めて、

海の方に飛んでいくようでしたら、そのまま撒き続けます。

遺骨を袋から手にとって散骨

自分の手で散骨

ドラマ「世界の中心で愛を叫ぶ」を見た方がかなり影響されていると思います。

故人様の遺骨を手にとって、手を真っ白けにしながら散骨出来る人は、

故人様に対する愛情の強い証ですが、自分の手でお送りするということは、

人間として最も自然なことなのかもしれません。

こういう場合には、海の水で遺骨の付いた手を洗うのがよいでしょう。

袋のまま投げて散骨

海の散骨

遺骨の入った袋をそのまま海に投げ込みます。

風の強い日などには、中を出して散骨しようとすると、

自分や参加した人にかかってしまうことがあります。

場合によっては目や口に入ってしまい、

散骨に行ってお遺骨を食べてしまったということにもなりかねません。

風があってもなくても、この方法が最も無難です。

余談ですが、振りかぶって思いっきり遠くに投げた方もおられましたが、

「おやじ〜行ってこいよ〜」という叫び声は今でも忘れられない思い出です。

海の散骨の服装

海の散骨は特に船に乗る場合には、足を滑らすと海に落ちてしまいますので、

靴はゴム底のスニーカーがおすすめです。

服装は潮風に当たることも考えて、普段着か、

ちょっとしたお出かけの服装が良いでしょう。

喪服はとても目立ちますし、花を持って船に乗り込んだりすると、

すぐに散骨だと分かりますので避けた方が無難です。

一人だけ喪服を着ていたりすると、とても恐縮してしまいますので、

主催者の方は、参加される方に「服装は普段着でどうぞ」と案内しておくことが必要です。

散骨地点を3周する理由

散骨地点を廻る

海の散骨では散骨地点を3周してから帰港します。

正確には左回りに3回廻ります。

これは私ある習慣に倣って実践していることで、

絶対にしなければならないことではありませんが、

ちゃんとした理由があります。

それは人間は生まれる時には右回りに3回廻ってこの世に出てきて、

亡くなる時には左回りに3回廻ってあの世に還っていくという言い伝えからです。

今でも地方の葬儀で「左回り3転の儀」として行われていて、

棺おけを担いだ人達が玄関先で左回りに棺おけを回すのです。

回るという動作は生命が産まれてきたり亡くなる時には宇宙の原理として

自然なことかもしれません。

実際の散骨では、散骨してからすぐに帰るよりも、

散骨した海域に花が浮いている周りを廻ってから帰っていく方が、

お見送りという意味ではより印象的だと思います。

散骨地点はGPSで確認すること

散骨地点を記録

散骨地点はGPSで確認して記録しておきましょう。

また同じ所に行きたいと思った時に、正確な場所に行くことが出来ます。

例えば夫婦のどちらかが先に亡くなって散骨した場所を記録しておけば、

後々、連れ添いの方が亡くなった場合に、同じ場所に散骨して

さしあげることが出来るからです。

夫婦や親子、兄弟であれば、同じ所で散骨することは、

とても幸せなことだと思います。

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長文お読み頂きありがとうございました。

自分で出来ることは自分でやることが故人への供養になります。

これを読んで困難だと思われた方は、現在このサイトもリニューアルして

メニューを載せようと思っていますが、間に合いませんので、

僧侶でもあるNPO法人やすらか庵代表清野が

船長をして船を出すメニューが載ったサイトがありますので、

ご覧になってくださいませ 散骨・粉骨・墓じまい やすらか庵